【名古屋・栄／】
【本屋】
文喫 栄

　国内最大手の出版取次である『日本出版販売』の事業ブランドとして誕生した『ひらく』。本に囲まれて暮らすホテル『箱根本箱』をはじめ、「本」を軸に「人が集まる場」を多く創造している。また、「選書屋」としての立場にこだわらず、クライアントの課題や想い、地域のニーズを汲み取り、総合的な提案を行うことが、他にない独創的な施設をプロデュースできる要因となっている。
　同社の哲学を最も身近に体感できるのが『文喫』。「入場料のある書店」として注目を集める新感覚施設で、『文喫 栄』は全国３店舗目として中日ビルにオープンした。有料エリアには静かに書籍と向き合える書斎やコワーキングスペースなど様々なエリアがあり、シチュエーションや気分によって使い分けができる。京都のコーヒー製造元『小川珈琲』監修のオリジナルブレンドをセルフで味わえるなど、思わず長居したくなる仕掛けも多々。書籍はすべて販売されており、気に入ったら購入することもできる。回数券や月額制定期券、法人向けのサブスクリプションもあり、読書・喫茶だけでなく「もうひとつのオフィス」として利用する客も多い。
　同社が新たに手掛ける『茶寮 香嵐渓文庫』のオープンも大きな話題に。香嵐渓一の谷にある古民家を改装し、趣ある佇まいとモダンな家具の心地よさが調和する小さな読書拠点を築き上げた。出入り自由の終日入場料制で、この施設を拠点に香嵐渓や足助の町並みを散策することも可能。「地方に人が集まる場」としての新しいモデルとなりそうだ。