【愛知・豊橋／】
【フレンチ】
là-bas

　戦後、豊橋の復興を支えた駅前高架下。その歴史の名残とも言える長屋の一角に愚直に伝統フランス料理を作り続ける人がいる。「コースはおまかせですが、初めての人には必ず自分のスペシャリテを詰め込んだコースをお出しします」という店主の浦野伸之さん。その料理すべてに息づくのが、原点回帰とも言えるフランス料理。ブッフブルギニヨンやパイ包み焼きなど、ワインの国が誇る伝統料理を何度も作り、30年以上追求してきたルセットは、三河湾の魚介や奥三河のジビエなど地元食材も取り入れ、今も改良を重ねる。
　浦野さんと会話をしながら、そんな料理とワインをいただくと、カウンターが出来立ての料理が楽しめる場所なのはもちろん、料理人の〝情熱〟に触れられる場所であると感じるだろう。何より自分が食べたい料理を追求した品々は、食べる人の心に真っすぐに響いてくる。