日月山水 – ナゴヤの大人のウェブマガジン | WEB大人の名古屋
レストラン 誕生日や記念日などの特別な日は、心地よい空間でとびきりおいしい料理と共に迎えたい。
そんな願いを叶えてくれる、とっておきのレストランをご紹介。

【名古屋・熱田神宮伝馬町
日本茶】

日月山水

茶の個性を愉しむ
常滑焼きの名工・磯部輝之氏や丹下悦子氏の急須を主に使用し、茶を淹れてくれる。

日本茶と、そして自己と
心静かに向き合える空間

 『日月山水』は熱田の杜のほど近くに佇み、隠れ家のように静かに過ごせる茶室と、お茶やお香などの商品を扱うショップの2つの空間から成る。ショップの横に設えられた潜り戸をひとたびくぐれば、そこに広がるのは黒を基調とした茶室。明るい雰囲気のショップとは対極的である。
 「家庭から急須が消え、茶葉からお茶を淹れる人が少なくなっている。丹精込めて作られた茶葉を良い道具で淹れ、ゆっくりと味わうことの豊かさを感じてほしい」と感じた店主の齊藤さんは、同店の前身となる『ことほぎ茶屋』を開店、2024年9月に『日月山水』として新たに開業した。茶室の席をあえて7席に限るなど、日本茶、そして自己と静かに向き合える空間が誕生。店主は自らの足で生産地へ赴き、茶を厳選している。「花のような香りの緑茶があると言うと驚かれますが、日本茶には沢山の品種があってそれぞれに異なる香りや味わいを有しています。茶の魅力をもっと感じていただきたい」と話す。こちらの茶室で主に味わえるのは「シングルオリジン」の日本茶だ。茶葉それぞれの個性を感じつつ飲み比べることで、好みを見つけることもできる。冷茶と温茶を二煎ずつ味わうことができ、合間に菓子やお茶請けなどが供される「千弥楽コース」は、茶の奥深さに気づくための近道。二煎、三煎と重ねるごとに移ろいゆく「茶の表情」に思わずハッとさせられる。そして〝茶を喫すること〟と〝五感を刺激する〟が同義であることにも気づかされるだろう。茶室では参拝の前後にランチを味わうことも可能。香り高い焙じ番茶で炊かれた茶粥もおすすめだ。
 「お粥で身体を潤すことには〝十のいいことがある〟といった意である〝粥有十利〟という言葉があります。茶粥の香りと甘味で心も潤してほしい」と話す。
カウンター上にある銀の茶釜。茶を淹れる店主の美しい所作にもついつい見入ってしまう。
全7席の茶室。黒を基調としたオーセンティックバーのような茶室で日本茶を楽しめる。
茶粥
塩と赤紫蘇だけで漬けた梅干や愛知県産の金山寺味噌などが添えられる。夏はさっぱり冷茶粥も。¥1,980
抹茶かき氷
シロップを使用せず、点てた宇治抹茶のみを使用。きび黒糖でほのかな甘味をつけている。¥1,430
一度湯で茶葉を開いた後すぐに冷水を注ぎ甘みと旨味を。淹れ方ひとつで味の違いを顕著に感じられることに驚かされる。
エビスビールと甘みのある抹茶を合わせた抹茶ビール。おつまみ付きで¥1,430。
甘い樽香の焼酎の玉露割り。おつまみ付きで¥1,540
DATA
  • 日月山水
  • 【住所】名古屋市熱田区神宮4-1-21 メゾン神宮1F
  • 【電話】052・898・4114
  • 【営業時間】11:00〜17:00
  • 【定休日】不定休
  • https://jitsugetsusansui.com