こだわる大人の特選グルメ
気軽に味わえる1軒
ランチや仕事帰りなど時間がないときだからこそ、肩肘張らずにおいしい料理を楽しみたい。
その日の気分に合わせて選べる、通いたくなる魅力溢れる店をご紹介。
イタリアン
【国際センター】那古野サロン ヌオーヴォ
日常を忘れさせる、非日常の空間と料理
 江戸時代、商人の町として栄えた面影を残す四間道エリアの一角に、白壁の土蔵を改装したレストラン『那古野サロン』がある。ハンバーグやパスタが人気の洋食店だったが2020年2月、ローマスタイルのイタリアンを提供する本格レストラン『那古野サロンヌオーヴォ』にリニューアル。積み重ねられた時だけが醸し出せる重厚な雰囲気はそのままに、新たなオーナーとシェフがこれからの歴史を紡いでいく。
 オーナーの福田雅一さんはかつて江南市でイタリアンレストラン『ポモドーロ』を営み、東海エリアに本格的なイタリア料理を広めた立役者のひとりだ。
 「『ポモドーロ』をオープンさせた1998年当時、イタリアンといえばほとんどがパスタ店でした。もっと様々なイタリア料理を知ってほしかったのです」
 オープンから2年が過ぎたころ、シェフの各務久揮さんが入店。各務さんはローマ・フラスカティの有名店『カッチャーニ』で腕を振るったシェフに師事しており、本格的なローマスタイルのイタリアンを得意としていた。2人で店を盛り立てたが、2009年に惜しまれつつも閉店。時は流れて2020年、舞台を四間道に移し、再び2人がタッグを組んだ。
 そのため、『那古野サロン ヌオーヴォ』の料理は本格的なローマ料理の流れを汲み、これをベースに東海エリアのイタリアン業界でブラッシュアップしたもの。昼は肉料理の山ランチ、魚料理の海ランチ、メイン料理に日替りの生パスタがセットになったスペシャルランチという3つの日替わりランチが評判だ。スープ、サラダ、パンまたはライスがつき、昼でも落ち着いた気分でゆったりと食事を楽しめる。
 「スープはミネストローネなど野菜を使った温かいものが多いですが、夏は冷製スープもよいと考えています。日替わりなので、その時の天気や気温、仕入れた食材に合わせて、臨機応変にメニューを組み立てます」と各務さん。料理に合う良質なイタリアワインも揃っているので、料理とワインのマリアージュを楽しむのもいい。
 昼でも薄暗い蔵の中は日常から解き放たれた空間。非日常の空間で本格イタリアンランチを1,000円台と手頃な価格で楽しめるとは、何とも贅沢な気分にさせてくれる。
上写真:本日の山ランチ¥1,650。
取材時は、塩胡椒で味付けした鶏モモ肉とフランクフルトのソテーだった。付け合わせはポテトをローズマリーと一緒にオーブンで焼いたパタータ。
中写真:本日の海ランチ¥1,650。
写真はメバルとアサリのトマト煮。メバルはソテーして皮目を焼いてから、トマトソースで煮込む。アサリのだしを利かせ、イタリアのスープ、ズッパに近い仕上がりに。
下写真:築100 年を超える蔵を改装。むき出しの梁や柱が趣を与え、暖色系のライトが温かみのある空間を作り出す。テーブル席のほか、1 階奥にカウンター、2 階に半個室を備える。
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