こだわる大人の特選グルメ
ちょっと足をのばして行きたい郊外のレストラン
そこでしか味わえないひとときを求めて、休日は家族や大事な人と郊外へドライブに出かけたい。
その地の風土を感じながら、知られざる新たな味に出合える珠玉の料理店へ。
フレンチ
【愛知・岡崎】シェ・トモ
生命力溢れるジビエ料理から
野生のパワーをもらう
 フレンチレストラン『シェ・トモ』は、オーナーシェフの浜島知由さんがジビエ協会会長でもあり、猪、鹿、鴨などのジビエが年中、コースでも単品でも食べられる。コースは肉料理にジビエを選べる他、ジビエの希少部位を楽しめるスペシャルコースも。ジビエは中部猟友会の代表、日浅一さんから仕入れており、多くは店から近い額田郡の山のものだ。いいものが獲れると声がかかり、車を走らせ取りに行き、脂ののり具合などを聞いてレシピを考えるという。
 この日いただいた猪のローストも額田産。野性味が魅力の一方、硬い、臭いイメージのジビエだが、ひと口でそれは翻った。歯応えを持ちつつも柔らかく、臭みではなく「香り」を纏う赤身部分と、脂の「甘さ」が醸し出す美味。「檻で捕獲後、すぐ適切に処理されたものは牛や豚より臭みがなく、火入れ加減で柔らかく仕上げられます」
 野生の生命力をもらうことで力がみなぎってくるようだ。店内はテーブルが2つ、最大10名と、少人数限定で安心。さらにできるだけ予約時間をずらし、2人~貸切にも対応している。
上写真:額田産牡丹肉のロースト。
猪の肉を固くならない70度・30分の真空調理にし、最後に表面をカリッと焼きあげた。その旨みをクランベリーの甘煮と岩塩でいただく。
中写真:天然フグの甘夏マリネと有機野菜彩々。
アミューズは山口県産の天然フグを、熟成後に爽やかなマリネにし、メレンゲと合わせたひと皿。小久井農場の野菜が華やかに季節を彩る。
下写真:オーナーシェフの浜島知由さん。
1976年名古屋生まれ、岡崎育ち。名鉄ホテルのフレンチで約13年腕を磨き、20カ国程を食べ歩いた後、2013年『シェ・トモ』をオープン。
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