こだわる大人の特選グルメ
大人のとっておきレストラン
誕生日や記念日などの特別な日は、心地よい空間でとびきりおいしい料理と共に迎えたい。
そんな願いを叶えてくれる、とっておきのレストランをご紹介。
寿司
【森下】味処 よこゐ
名店の味を引き継ぎつつ、
新たなアイデアで舌を魅了する和食
 以前は兄弟で天ぷらと和食の店を営んでいたという主人の横井孝至さんが、「和食一本の店を」と独立。大通りにあるとは思えないほど静かな佇まいで、扉を開けるとカウンターとオープンキッチンの間に通路が設けられたユニークな造りに驚かされる。
 横井さんが手掛ける料理は大阪の名割烹『喜川』仕込み。10種類以上の料理が盛り込まれた“楽盛”はそのひとつ。白トリュフをあしらった衣かつぎや柔らかく煮上げた野菜など、その名のとおり味も見た目も十分に楽しませてくれる。もうひと品、名店の流れを受け継ぐ名物といえばコロッケだ。自家製ホワイトソースはなめらかでまろやか。カツオだしをベースにした和風のトマトソースは、酸味と甘みが程よくカツオの風味が感じられ、マイルドなコロッケの味をさらにやさしい味わいにする。「以前から常連のお客様に、食べたいといわれて復活させました」と横井さん。今では、これを目当てに訪れる人も少なくないという。
 これらの料理に使われる、和食の命ともいえるだしはもちろん徹底したこだわりを見せる。昆布は北海道・白口浜産の真昆布を使用。「決して主張しすぎず、それでいて旨みが濃いのが自分の好みの味にぴったりです」。かつお節は、伊豆の伝統製法で作られた本枯れ田子節を毎日かんなで削り、30分以内でだしを引くよう心掛けている。風味と旨みが奥深い上品な味わいは、椀物にするとさらに際立つそうだ。だしや季節の食材を駆使して、緩急のある食事を楽しませてくれる同店。訪れるたびに新しい感動に出合えるだろう。
上写真:味も素材も多彩な前菜が10種類ほど盛られている。コースの一例。
中写真:細切りにした食パンの衣をまとった「よこゐ流コロッケ」。コースの一例。
下写真:大阪『喜川』で7年、有馬や名古屋で約7年研鑽を積んだ店主の横井さん。
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