こだわる大人の特選グルメ
大人のとっておきレストラン
誕生日や記念日などの特別な日は、心地よい空間でとびきりおいしい料理と共に迎えたい。
そんな願いを叶えてくれる、とっておきのレストランをご紹介。
割烹
【高岳】おん喰 せき尾
確かな技術とアイデアが光る、
目にも楽しい和と洋の逸品
カウンター上を彩る、山海の旬の食材と季節感溢れる大皿料理。その奥で楽しげに料理を仕上げる店主の関尾弘治さんは、岐阜の老舗日本料理店や京都の名店で修業を積み、東桜の割烹『花うさぎ』の料理長を経て独立した、実力派の料理人だ。「お客様の要望に応えられる、カウンター割烹の店を開きたかった」と話すとおり、三河産などの近海物の魚介や、色鮮やかな野菜など、その日の食材がひと目でわかる檜のネタケースを設置。好みの食材を好みの料理に仕立てて楽しませてくれる。

カウンターに座ると、先付代わりのおばんざいが供される。コンビーフの旨みでコクを加えたポテトサラダや、季節野菜の炊き合わせなどを軽くつまみながら、ネタケースを眺めて食べたい食材を選んでいく。なんとも楽しい食事の始まりだ。冬は岐阜の猟師から買い付けるマガモなどのジビエや、ズワイガニ、フグ、クエなどがケースを彩る。厳選した食材の味を生かすため、調味料も吟味。岐阜の醸造所から取り寄せる醤油は、角のとれたまろやかな味わい。この醤油をベースに酒、味醂、昆布と鰹のだしを加えた自家製の刺身醤油が、魚介の旨みを引き立てる。中トロや剣先イカなどとともに、藁の火で炙って香りづけしたサワラや、鯛の松皮造りなど、ひと手間かけた味わいも楽しめる。

そんな和食のメニューの中に、一瞬目を疑うメニューがある。それが車海老のアヒージョ。オリーブオイルの代わりにニンニクバターを、小エビの代わりにネタケースの中の車海老を使った贅沢なひと品。さらに、鰹だしをベースに、牛乳、バターを加え、溶き卵で仕上げる玉子フォンデュも今では定番メニューのひと品に。常連客のわがままな要望に「店にある食材を工夫して作りました」と笑う関尾さん。豊かな発想力に頼もしさを覚える。
上写真:目の前のネタケースにズラリと並ぶ本日の魚介や野菜は、活きのよさが伝わる旬の食材が揃い踏み。
中写真:刺身6品盛り合せ¥3,024〜(写真は¥3,456)
下写真:車海老のアヒージョ¥2,700
DATA