こだわる大人の特選グルメ
大人のとっておきレストラン
誕生日や記念日などの特別な日は、心地よい空間でとびきりおいしい料理と共に迎えたい。
そんな願いを叶えてくれる、とっておきのレストランをご紹介。
割烹
【上前津】輪久
和食と日本酒、王道にして最高の競演に酔いしれる
和食にワイン、フレンチに日本酒といった、ジャンルを超えた組合せがすっかり浸透し、当たり前になってきている昨今。そんな中であらためて「日本酒を楽しむ」をメインテーマにする割烹が『輪久』だ。店主の野口達矢さんは自身が大の日本酒好き。「その奥深さをもっと知ってほしい、掘り下げながら分かち合いたいと思っています」

日本酒は、全国の蔵元へ足を運び、試飲と作り手との対話を重ね、旨いと思うものを買い付け、25〜30種類をラインアップ。地元愛知の「醸し人九平次」や山口の「獺祭」など、有名な銘柄も揃え、極めて手に入りにくいと言われる富山の「勝駒」も、特別な繋がりから常時キープしている。にもかかわらず、値段は50ccが300円、100ccが600円、150ccが900円という一律設定。「金額ではなく味や香り、口当たりで、自分に合う酒を見つけてほしいからです」と野口さん。

柳橋市場で毎朝選ぶ旬の食材を使い、日本酒と一緒に味わうことをイメージしながら仕上げるという料理は、自然に日本酒が飲みたくなるものばかり。本人も「作りながら恋しくなっています」と笑う。そんな料理の味わい、組合せは、やっぱり和食には日本酒がいちばんという“事実”を再認識させる。

夜は単品中心だが、予算を伝えてお酒も込みでおかませにすることもできる。瀟洒な外観は敷居が高そうに見えるものの、料理をしながら目線を合わせられる高さにこだわったカウンターをはじめ、コニュニケーションを大切にしているため、気負いなく和める雰囲気なのがこの店。日本酒を軸にして、時には高級割烹、また時には居酒屋のように、気ままに使える嬉しい1軒だ。
上写真:¥10,800コースの一例、目にも美しい八寸。
中写真:日本酒は好みの器を選んで楽しめる。
下写真:静かな街並みの中に佇む1軒。
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