「レストランを開くのが小さい頃からの夢でした」。そう話すオーナーシェフの則武哲郎さんは、イタリアのベネト州やトスカーナ州などで修業を積み、2018年に念願であった自分の店をオープンさせた。「お客様に料理だけでなく、イタリアの伝統や文化も一緒に楽しんでもらえる店を目指しています」
　則武さんが作る料理は、イタリアの郷土の味がベース。そこに独自の感性や日本の季節感を取り入れたもの。また、「自分が生まれ育った土地や人達に恩返しがしたい」との思いから、地産の食材を多く使用している。例えば、エミリア・ロマーニャでよく食べられているメレンゲの料理は、尾張産の卵を使ってアレンジ。ふわふわと柔らかいメレンゲの中からとろりと流れ出る黄身を、パルジャーノチーズで仕上げたソースと絡めて味わう一品は、ワインにもよく合うと評判が高い。
　パスタにも思い入れが強く、常時4〜5種類の手打ちのメニューが登場。トスカーナ名物のピーチをはじめ、リゾットのようにブロードで煮込むクベッティなど、本場の味が楽しめる。トリッパもスペシャリテのひとつで、トスカーナとエミリア・ロマーニャ、そしてシチリアと、3つの州の味を堪能できる。イタリア料理の奥深さを教えてくれる、魅力的な1軒だ。

上写真：名物料理のひとつ、「イカスミを練り込んだ黒いタリオリーニ 新鮮な生ウニとリコッタチーズ添え」。¥2,640
中写真：パスタメニューの「北海道産ボタンエビの冷製カッペリーニ シチリア産ピスタチオのソース」。¥3,300
下写真： イタリアの各地を巡り、4つの州で学んだ経験を持つオーナーシェフの則武さん。