昔ながらの町並みに溶け込む古き良き昭和の佇まい。2014年11月に開店した『オステリア オルモ』はその店構えにふさわしい、日本の食材を駆使したイタリアンが味わえる。日本人になじみの深い旬の食材を取り入れながら、決して和風イタリアンにはならない。それは、イタリア料理の技法や味付け、エッセンスもきちんと生かした、オーナーシェフ佐藤一也さんの料理人としてのセンスがあるからこそ。こうして和食材が個性となるオルモのイタリアンが生まれるのだ。

前菜には香り豊かな葉ワサビのソースを添えた山菜のフリットなど、特に季節感や素材感を大事にした和の食材が登場。また「見た目だけでなく、食感の違いも楽しんでほしい」とカッペリーニに見立てたホワイトアスパラの細切りを前菜に供するのも佐藤さんのアイデアのひとつ。

さらに三温糖で炊いて餡のように仕上げたレンズ豆のラビオリなど、和とイタリアンが見事に融合したデザートも秀逸。「口にした瞬間、ちょっと違うと感じられる料理を作りたい」。佐藤さんのその想いがさらに新しいひと皿へと掻き立てる。

上写真：山菜のセモリナ粉フリット￥1,728
中写真：レンズ豆のラビオリ アングレーズソース￥972
下写真：昭和16年築の民家を改装。建具などはそのまま残る。