人の往来が激しく賑やかな通りから少し離れた、静かな通りに面するイタリアンレストラン。古い建築を活用しながらもそこに現代的なセンスも取り込むことが巧みな、イタリアのレストランスタイルに惚れ込んだオーナーが、明治時代の日本家屋をほぼそのまま利用した店を18年前にオープンした。
「早めの予約でいい席をご案内できることもあり、記念日や特別な日に訪れるお客様が多いです」と話すのは支配人の尾関伸二さん。特に2階の個室に予約が集まるという。襖を開けた瞬間に感じる、懐かしい雰囲気。アンティーク家具がセンスよく配された空間の、心を和ませる居心地のよさが人気だ。

ここで楽しめる料理は素材を生かした独創的なイタリアン。特に冬はフレンチ出身のシェフらしくジビエも登場。

ランド産の仔鳩に甘酸っぱいフランボワーズソースを絡めたものや、ほのかな松ヤニの香りをまとった雷鳥のフォアグラやトリュフと合わせたひと皿や赤ウズラ、キジ、鴨などが登場。どれも特別な日にふさわしく贅沢で印象に残る料理ばかりだ。これらの料理は予約の際に苦手な食材を伝えると、それを外すだけではなく「おいしく食べていただけるように工夫します」と尾関さんはいう。それももてなしのひとつだと話し、「サービス、料理、空間のすべてに幸せを感じてもらいたい」。この心遣いが特別な時間をより濃密にする。

さらに記念日などで訪れるふたりの大切な時間を遮らないスタッフの質の高いサービスも選ばれる理由のひとつ。「おふたりの雰囲気を見て時には話しかけるなど、素敵なディナーになるように最前を尽くします」と尾関さん。きめこまやかな気配りと、一流レストランらしい姿勢を正したサービスが評判を呼び、「次の記念日もここで」と毎年予約を入れるリピーターが後を絶たない。

上写真：店は約130年前の民家を利用。
中写真：スタジオーネ￥13,608より、ランド産仔鳩のロティ　フランボワーズソース、ワインはカンティニーノ2006￥11,728
下写真：スタジオーネ￥13,608より、三河一色産のハモのショーフロア。