【和歌山・高野山/観光】
和歌山県観光連盟 和歌山県名古屋観光センター
静寂の高野山、歴史がいざなう旅
澄み渡る空気を静かにまとう天空の聖地・高野山。
1200年以上続く人々の祈りの痕跡と、在りし日の先人の面影に誘われて、
悠久の歴史を感じながら高野山ならではの非日常を体験したい。
1200年以上続く人々の祈りの痕跡と、在りし日の先人の面影に誘われて、
悠久の歴史を感じながら高野山ならではの非日常を体験したい。
今も瞑想する弘法大師へ食事を届ける
奥之院の最も奥に鎮座する御廟(ごびょう)では、今もなお弘法大師が世の中の平和と人々の幸福を願い、瞑想を続けていると信じられている。朝6時と10時半に食事を届ける「生身供(しょうじんぐ)」は、1200年以上続く尊い儀式だ。
奥之院の最も奥に鎮座する御廟(ごびょう)では、今もなお弘法大師が世の中の平和と人々の幸福を願い、瞑想を続けていると信じられている。朝6時と10時半に食事を届ける「生身供(しょうじんぐ)」は、1200年以上続く尊い儀式だ。
自然と歴史が紡ぐ“祈りの地”を巡る
和歌山県北部に位置する天空の聖地・高野山。唐へ渡り真言密教を学んだ弘法大師空海が、その教えを広めるために選んだ地だ。高野山は「一山境内地」であり、山全体を寺と称する。東西に約6km、南北に約3kmの敷地には、二大聖地として知られる「壇上伽藍(だんじょうがらん)」と「奥之院」や、「金剛峯寺」を含め117もの寺院が建ち並んでいる。開創以来今もなお多くの人が足繁く通い、祈りを捧げ、教えを請う、真言密教の聖地だ。
高野山の西側に位置する大門をくぐり町へ入ると、高野山の本堂である「金堂」のほか、19の堂塔が建つ「壇上伽藍」が目に入る。「根本大塔(こんぽんだいとう)」の鮮やかな朱色は四季折々の自然の風景と相まって、ひと際美しい。その先にある「金剛峯寺(こんごうぶじ)」は、その外観だけでなく内部の石庭や襖絵など、一見の価値のあるものばかり。弘法大師誕生から1250年を迎えようとしている今、この地をそぞろ歩きながら、ゆったりとタイムスリップを楽しもう。
高野山の西側に位置する大門をくぐり町へ入ると、高野山の本堂である「金堂」のほか、19の堂塔が建つ「壇上伽藍」が目に入る。「根本大塔(こんぽんだいとう)」の鮮やかな朱色は四季折々の自然の風景と相まって、ひと際美しい。その先にある「金剛峯寺(こんごうぶじ)」は、その外観だけでなく内部の石庭や襖絵など、一見の価値のあるものばかり。弘法大師誕生から1250年を迎えようとしている今、この地をそぞろ歩きながら、ゆったりとタイムスリップを楽しもう。
大広間や襖絵など見どころが豊富な「金剛峯寺」
「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコ世界遺産にも登録されている金剛峯寺。正門は金剛峯寺の中でも最古の建造物であり、かつては天皇と皇族、高野山の重役のみが潜ることを許された神聖な門だった。金剛峯寺で修行をする一般の僧侶は今も、右にある小さな入り口から出入りしている。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコ世界遺産にも登録されている金剛峯寺。正門は金剛峯寺の中でも最古の建造物であり、かつては天皇と皇族、高野山の重役のみが潜ることを許された神聖な門だった。金剛峯寺で修行をする一般の僧侶は今も、右にある小さな入り口から出入りしている。
雌雄の龍を模した荘厳な庭
金剛峯寺内の「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」は、弘法大師誕生の地である四国の花崗岩で雌雄の龍を、京都の白川砂を用いて雲海を表現した庭。石庭としては国内最大級で、奥殿を守るように設計されている。
金剛峯寺内の「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」は、弘法大師誕生の地である四国の花崗岩で雌雄の龍を、京都の白川砂を用いて雲海を表現した庭。石庭としては国内最大級で、奥殿を守るように設計されている。
日本画家・千住博氏の襖絵
国内外で活躍する日本画家・千住博氏が手掛けた襖絵「瀧図」「断崖図」を拝観できる。高野山開創1200年を迎えた2015年から3年かけて、ニューヨークのアトリエで制作された。まるで音が聴こえてくるような迫力を感じられる。
国内外で活躍する日本画家・千住博氏が手掛けた襖絵「瀧図」「断崖図」を拝観できる。高野山開創1200年を迎えた2015年から3年かけて、ニューヨークのアトリエで制作された。まるで音が聴こえてくるような迫力を感じられる。
「僧が修行する静寂の道場」という意味を持つ「壇上伽藍」
遣唐使として唐にいた弘法大師が、帰国前に有縁の地を探すべく法具である「三鈷杵(さんこしょ)」を日本へ向けて投げた。帰国後、壇上伽藍でその三鈷杵を見つけたことから、修行の場として最初にひらいたというエピソードが残る。
遣唐使として唐にいた弘法大師が、帰国前に有縁の地を探すべく法具である「三鈷杵(さんこしょ)」を日本へ向けて投げた。帰国後、壇上伽藍でその三鈷杵を見つけたことから、修行の場として最初にひらいたというエピソードが残る。
真言密教におけるシンボル的な「根本大塔」
本尊に胎蔵大日如来(たいぞうだいにちにょらい)、周囲には金剛界の四仏を配するシンボリックな大塔。内部の16本の柱には十六大菩薩、四面の壁には密教を伝えた8人の僧が描かれ、堂内を立体の曼陀羅として表現している。
本尊に胎蔵大日如来(たいぞうだいにちにょらい)、周囲には金剛界の四仏を配するシンボリックな大塔。内部の16本の柱には十六大菩薩、四面の壁には密教を伝えた8人の僧が描かれ、堂内を立体の曼陀羅として表現している。
高野山開創最初期に建設された「金堂」
高野山一山の本堂であり、重要行事も執り行われる。内部には「釈迦成道驚覚開示(しゃかじょうどうきょうがくかいじ)の図」や「八供養菩薩像(はっくようぼさつぞう)」が整えられている。
高野山一山の本堂であり、重要行事も執り行われる。内部には「釈迦成道驚覚開示(しゃかじょうどうきょうがくかいじ)の図」や「八供養菩薩像(はっくようぼさつぞう)」が整えられている。
「四天王像」のある「中門」
819年に創建されたとされる「中門」は、1843年の火災で焼失した後、2015年に再建された。1819年に造立され1843年の火災を逃れた「多聞天像」「持国天像」と2015年に新たに造立した「増長天像」「広目天像」の四天王像があり、今と昔を結ぶ役割を果たしている。
819年に創建されたとされる「中門」は、1843年の火災で焼失した後、2015年に再建された。1819年に造立され1843年の火災を逃れた「多聞天像」「持国天像」と2015年に新たに造立した「増長天像」「広目天像」の四天王像があり、今と昔を結ぶ役割を果たしている。
名古屋とも縁がある?戦国武将の痕跡を辿る
弘法大師が開いた真言密教の基本思想として、「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」というものがある。これは現世で修行を重ねた結果、生きたまま仏と一体となり、悟りを開くことができるという密教ならではの教えだ。それに付随して、高野山には「死後は敵味方なく誰もが平等である」という精神がある。このことから、極楽浄土を求めて宗派や思想を超えた多くの人々の墓が高野山へと寄せられるようになったといわれている。
実は、戦国時代に名を馳せた武将達もその一部。弘法大師の御廟(ごびょう、霊廟)がある「奥之院」には、戦国大名の約6割以上にあたる人物の墓や供養塔があるとされている。愛知・名古屋にゆかりのある織田家や豊臣家、徳川家のものも鎮座しているが、ここで注目したいのが、その場所や佇まいだ。織田信長の墓所は質素ながらも、御廟橋近くにあり、まるで一番近い場所からじっと弘法大師を見つめているよう。豊臣秀吉は広々とした墓地にゆったりと墓を構えている。徳川家に至っては、「奥之院」に第8代将軍の徳川吉宗や紀州藩の初代藩主・徳川頼宣などの墓があるほか、金剛峯寺の近くに「徳川家霊台」として初代将軍徳川家康・第2代将軍秀忠親子の霊が祀られている。こうした歴史の背景を紐解きながら、じっくりと見て歩くだけでも興味深い。
実は、戦国時代に名を馳せた武将達もその一部。弘法大師の御廟(ごびょう、霊廟)がある「奥之院」には、戦国大名の約6割以上にあたる人物の墓や供養塔があるとされている。愛知・名古屋にゆかりのある織田家や豊臣家、徳川家のものも鎮座しているが、ここで注目したいのが、その場所や佇まいだ。織田信長の墓所は質素ながらも、御廟橋近くにあり、まるで一番近い場所からじっと弘法大師を見つめているよう。豊臣秀吉は広々とした墓地にゆったりと墓を構えている。徳川家に至っては、「奥之院」に第8代将軍の徳川吉宗や紀州藩の初代藩主・徳川頼宣などの墓があるほか、金剛峯寺の近くに「徳川家霊台」として初代将軍徳川家康・第2代将軍秀忠親子の霊が祀られている。こうした歴史の背景を紐解きながら、じっくりと見て歩くだけでも興味深い。
家臣を従え、佇む織田信長の墓
高野聖を数百人にわたり処刑したという織田信長。場所は御廟橋近くではあるものの、生前の行いを考慮してか、どことなくひっそりと佇んでいるようにも見える。近くには信長に仕え、明智光秀の子を養子に取るなどして活躍した筒井順慶の墓も。
高野聖を数百人にわたり処刑したという織田信長。場所は御廟橋近くではあるものの、生前の行いを考慮してか、どことなくひっそりと佇んでいるようにも見える。近くには信長に仕え、明智光秀の子を養子に取るなどして活躍した筒井順慶の墓も。
高野山を庇護するようになった豊臣秀吉
信長亡き後、高野山を攻めていた豊臣秀吉であったが、木食応其(もくじきおうご)上人の説得により降伏させた。以来、篤く庇護するようになったといわれている。陽の光が差し込む広々とした敷地に静かに建っている。
信長亡き後、高野山を攻めていた豊臣秀吉であったが、木食応其(もくじきおうご)上人の説得により降伏させた。以来、篤く庇護するようになったといわれている。陽の光が差し込む広々とした敷地に静かに建っている。
家光によって建てられた徳川の霊舎
1643年、第3代将軍徳川家光によって建てられた霊舎。向かって右側に家康、左側に秀忠が祀られている。細やかな彫刻や装飾など卓越した技巧を見ることができ、深い信仰心があったことが窺える。
1643年、第3代将軍徳川家光によって建てられた霊舎。向かって右側に家康、左側に秀忠が祀られている。細やかな彫刻や装飾など卓越した技巧を見ることができ、深い信仰心があったことが窺える。
一堂に集められた墓石の数々
奥之院参道に、無数の無縁仏がうず高く積まれた「無縁塚」がある。風雨にさらされ、墓の形を留めていないものもあり、1200年以上にわたる人々の祈りと思いが凝縮された圧巻の光景だ。
奥之院参道に、無数の無縁仏がうず高く積まれた「無縁塚」がある。風雨にさらされ、墓の形を留めていないものもあり、1200年以上にわたる人々の祈りと思いが凝縮された圧巻の光景だ。
体験と学びを通じて歴史をさらに感じる
見て学びを深めたら、次は体験を通じてこの地の魅力をさらに感じてみてはいかがだろうか。高野山では、真言密教独自の呼吸法を行いながら瞑想をする「阿字観(あじかん)」や、般若心経を丁寧に書き写す「写経」を体験できる。ほかにも、しめ縄の代わりに家の軒先に飾ることで縁起をもたらす「宝来(ほうらい)」の制作体験(日にち限定)や、山内51カ寺では宿坊として宿泊できるなど、旅のプランに応じて様々な楽しみ方ができる。自然の音だけが静かに聞こえる空間で気持ちを整えながら、自分と向き合うひと時を過ごしてみよう。
味覚を堪能するなら、名物のごま豆腐や湯葉をはじめとした精進料理をぜひ。動物性のものを使わず素材の味を生かした素朴な和の味付けは、ひと口味わうごとに滋味を感じられるものばかり。五感を満たしてくれる数々の体験が待っているはずだ。
味覚を堪能するなら、名物のごま豆腐や湯葉をはじめとした精進料理をぜひ。動物性のものを使わず素材の味を生かした素朴な和の味付けは、ひと口味わうごとに滋味を感じられるものばかり。五感を満たしてくれる数々の体験が待っているはずだ。
呼吸を整え瞑想にふける「阿字観」
金剛峯寺内にある一般非公開の道場で行う瞑想法。呼吸と共に日々感じる苛立ちやモヤモヤを吐き出し、「阿」の梵字を前にして己の心と向き合うことで、心身をリラックスさせる。
※現在は新型コロナウイルス感染拡大により休止中
金剛峯寺内にある一般非公開の道場で行う瞑想法。呼吸と共に日々感じる苛立ちやモヤモヤを吐き出し、「阿」の梵字を前にして己の心と向き合うことで、心身をリラックスさせる。
※現在は新型コロナウイルス感染拡大により休止中
心を穏やかに文字と向き合う
般若心経の一字一句に願いを込めて書き写す写経体験。集中していくうちに雑念を払うことができ、心が安らかに。手を動かすことで脳の活性化に繋がり、終わった頃には頭がすっきりするとも。手本となる文字を写しながら書くので、初心者や書道未経験の人でも気軽に体験できる。
般若心経の一字一句に願いを込めて書き写す写経体験。集中していくうちに雑念を払うことができ、心が安らかに。手を動かすことで脳の活性化に繋がり、終わった頃には頭がすっきりするとも。手本となる文字を写しながら書くので、初心者や書道未経験の人でも気軽に体験できる。
日本の伝統料理を心ゆくまで
宿坊では地元の野菜や山菜などを用いた伝統的な精進料理がいただける。品数も多く、一つひとつが味わい深いため満腹感も。豆乳の濃厚な甘みと野菜のだし、ごま豆腐が味わえるなど、美しく盛られた料理の数々に季節感を感じながら堪能したい。
宿坊では地元の野菜や山菜などを用いた伝統的な精進料理がいただける。品数も多く、一つひとつが味わい深いため満腹感も。豆乳の濃厚な甘みと野菜のだし、ごま豆腐が味わえるなど、美しく盛られた料理の数々に季節感を感じながら堪能したい。
露天風呂や庭園が楽しめる宿坊
約800年前に開かれた宿坊「福智院」の特別室からは、作庭家・重森三玲が手掛けた庭園を臨め、都会での忙しい日々を忘れて、心から解放された時間を過ごすことができる。院内にはゆかりのある諸大名の遺品や宝物などが納められ、荘厳な雰囲気。夜は贅沢に、天然温泉の露天風呂を満喫して。
約800年前に開かれた宿坊「福智院」の特別室からは、作庭家・重森三玲が手掛けた庭園を臨め、都会での忙しい日々を忘れて、心から解放された時間を過ごすことができる。院内にはゆかりのある諸大名の遺品や宝物などが納められ、荘厳な雰囲気。夜は贅沢に、天然温泉の露天風呂を満喫して。
「生身供」にも使われるごま豆腐
「角濱ごまとうふ」のごま豆腐は、和歌山県優良土産品・全国推薦優良土産品にも選出された逸品。弘法大師に届ける食事「生身供」にも使われている。伝統的な製法で丁寧に作られたその味わいは、濃厚な胡麻の風味と柔らかな口当たりが特徴。悠久の歴史を感じながらじっくりと味わいたい。
「角濱ごまとうふ」のごま豆腐は、和歌山県優良土産品・全国推薦優良土産品にも選出された逸品。弘法大師に届ける食事「生身供」にも使われている。伝統的な製法で丁寧に作られたその味わいは、濃厚な胡麻の風味と柔らかな口当たりが特徴。悠久の歴史を感じながらじっくりと味わいたい。
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- 高野山温泉 福智院
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