【名古屋・矢場町／】
【焼酎酒場】
セイハロー

　大津通から一本入っただけなのに、木造民家が長屋のように立ち並ぶ路地がある。ここには昔ながらの趣きを残して改装した店も点在していて、店や人が隣り合う距離感も心地よい。『セイハロー』はそんな路地に佇む焼酎酒場だ。暖簾をくぐるとカウンター席が広がり、野菜が主役の創作おばんざいが並ぶ。大分の郷土料理・とり天や魚介だしの効いた金沢風おでん、羽釜炊きご飯など料理は多彩だが、どれも焼酎と楽しむことをイメージし、味に工夫を施した。これに合わせるのが芋だけで50以上の銘柄を取り揃える焼酎。「焼酎の魅力は食中酒になるさっと切れる後口。蔵元を訪ねると老舗も新しい醸造法を追求し、お茶やミルク割など飲み方も進化しています。ロックや湯割りだけではない、自由な飲み物として提案したい」と語るオーナーの渡邉一瑠さん。
　料理、酒、音楽、空間。それぞれに思いを詰め込んだ酒場で、焼酎の今を体験してみてほしい。