【愛知・春日井／】
【カフェ】
Gurun Garden

　一枚板の重厚感のある扉を開けると、店内は自然素材のアートが一面に広がり信州の思いが詰まった心地よい空間。ここはオーナーの山中忍さんの故郷である南信州の魅力を詰め込んだカフェ。気の知れた農家の仲間から毎日届く食材でごはんやスイーツを創作する。
　もともと山中さんは、愛知県一宮市で毛織物会社を営み、余ったウールをアップサイクルする事業を手掛けてきた。尾州毛織の会社・職人と協力し、上質な天然素材を使った再生品を作り上げ、歴史ある毛織物に新たな価値を生み出した。この事業をきっかけに、山中さんは自身の故郷にも目を向ける。食材の宝庫で、素晴らしい作り手がいる南信州だが、おいしいのに規格外のため売ることができない食材を買い取り、料理や加工品に生まれ変わらせることで、昔ながらの製法やおいしさを大切にする作り手を守ることができるのではと考えた。できるだけ農薬を使わず、土壌作りにこだわったおじいちゃんやおばあちゃんや仲間の手掛ける農作物は、どれも味わい豊か。無添加のリンゴジュースやコンフィチュールは1瓶あたり1㎏もの果実を使い、余計なものを一切入れず安心安全を追求して製造。砂糖を使っていないがその甘味や濃厚な味に驚かされる。生姜焼きやカレーなどにも、このコンフィチュールを調味料に使っている。
　「お客様にはどんな人が作ったどんな野菜かを必ずご案内します。食べれば、ほかにはない味であることをわかってもらえると確信しています。多くの人に楽しんでもらうことで、農家さんが喜んでもらえたら嬉しい」という山中さん。ぜひ店を訪ね、まずはその豊かな味を体験してみてほしい。