こだわる大人の特選グルメ
気軽に味わえる1軒
ランチや仕事帰りなど時間がないときだからこそ、肩肘張らずにおいしい料理を楽しみたい。
その日の気分に合わせて選べる、通いたくなる魅力溢れる店をご紹介。
焼き鳥
【東別院】ささ家
丁寧に仕込む自家製塩で際立たせる、鶏肉の甘み
塩にこだわり抜く焼き鳥店。特に注文がない限りすべての串を塩で焼く。徹底的なこだわりは焼き鳥への愛からで「素材の味がよりわかるのが塩。本当の焼き鳥好きならやっぱり塩です」と語る大将・佐々木健二さん。会社勤めのエンジニア時代からの焼き鳥好きが高じてこの道に入ったという佐々木さんならではの言葉だ。

使う塩は、修業した店で行っていた方法をベースに、自分流に研究を重ねて作り方を編み出したオリジナルのもの。まず日高昆布でとっただし汁をよく冷ましてから密封容器に入れ、精製塩を加えて、数週間ほど置くことで昆布のうま味をじっくりとなじませる。次に鰹でとっただし汁を加え、じっくりと茶色になるまで煮詰めていく。さらにそれを丁寧にゆっくりと温めることで完全に水分を飛ばしていく。

佐々木さんは「鰹と昆布の旨みをたっぷり蓄えた塩が、鶏肉の持つ甘みをより芳醇にしてくれる」と目を細める。ちょうどよい粒の大きさ、水分状態にすることでふりやすくまんべんなくつくようになり、塩が細かなベールになって串を包み込む。皮やなんこつのような弱火でじっくり焼くものは塩が落ちるので多めにふるなど、串によって量も調整する。また肉の味がわかりやすい分仕込みにも気を遣い、焼きムラが少なくなるように厚みができるだけ均等になるように串打ちするが、ここでも職人の技が光る。

タレ好きもきっと納得する塩の焼き鳥、一度は味わう価値ありだ。
上写真:右から、ささみ¥180、つくね¥180、ねぎま¥190、せせり¥160、肝¥180、心臓¥180
中写真:昆布と鰹の旨みが凝縮された茶色い特製塩。
下写真:カウンター4席とテーブルは4人がけと2人がけが1つずつ。椅子の座り心地にもこだわる。
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