こだわる大人の特選グルメ
気軽に味わえる1軒
ランチや仕事帰りなど時間がないときだからこそ、肩肘張らずにおいしい料理を楽しみたい。
その日の気分に合わせて選べる、通いたくなる魅力溢れる店をご紹介。
フレンチ
【御器所】KUROTEI
あれもこれもちょうどいい、
だから通いたくなるフレンチ
 オーナーシェフの黒木要一朗さんは、天白区にあった泓さんのビストロ『フチテイ』出身ということもあり、『クロテイ』という店名は最初から決まっていた。一方で、どんな店にしたいのかはじっくり考え、掲げたテーマは、「ちょうどいいフレンチ」だった。
 駅から5分。カウンターとテーブル2つ、全12席の店はシェフとの距離が近く、ふらっとひとりでも立ち寄りやすい。それも黒木さんが考えるちょうどいいだ。料理は好きなものをちょうどいいだけ選べるアラカルト主体で、定番のほか、季節メニューが登場する。秋冬の新作じゃがいものニョッキは、かぼちゃに魚介のだし、フヌイユやディル、オレンジの果肉を加えた、ほっくりと爽やかさが同居するソースが新しい。
「ワインはキュヴェ・アリエがおすすめ。古樽熟成、乳酸発酵が生むコクと甘みがしっくりなじみます」
 パテやレバームースなど、『フチテイ』から継承したものもある。
 タルタルとレンズ豆のサラダは鶏ささみを使っていた一品を自分流に魚でアレンジする。
「イメージはまぐろ納豆。おすすめはスパーリング、あるいは軽めの赤も合いますよ」
 パンチのあるカスレは、名物を受け継いだ。「白を合わせそうですが、正解は重めの赤です」と、添える言葉には、ワインと一緒に楽しんでほしいという思いがにじむ。ワインはフランスのナチュラルワインが中心だ。「おいしく健康に」の思いも強く、食材は岐阜県加茂郡・藤井ファームの無薬育ちの「あんしん豚」や、豊田市・徳八農園の無農薬・無化学肥料の野菜、みよし市の天然原料飼料で育てる「夢たまご」など、安心できるものを使用。また、これも黒木さんのちょうどいいで、どの皿もがっつりボリューミー。数皿でお腹いっぱいに。そして23時まで入店OKという、遅くまで食事ができる希少な店でもある。
「2軒目、ワインと一品、ファミリーで、色んなちょうどいいに使ってください」。
上写真:地下鉄御器所駅から徒歩5分ほどの塩付通に、ぽっと暖かな灯りをともす。1日の終わりの「お疲れ様」に、ちょうどいいビストロ。
中写真:フランス産鴨もも肉のコンフィと自家製ソーセージのカスレ
色んな肉を白いんげん豆と煮込む、フランス南西部ラングドッグ地方の郷土料理。〜風ではない、どしんとした本格的なカスレを提供している。¥4,180
下写真:鮮魚のタルタルと半熟卵とレンズ豆のサラダ
ヴィネグレットソースのレンズ豆に重ねたのは、新生姜のピクルスなどと和えたぶり。夢たまごのとろとろ半熟をつぶして混ぜて。¥1,210
DATA