こだわる大人の特選グルメ
ちょっと足をのばして行きたい郊外のレストラン
そこでしか食べられない味を求めて、休日は家族や大事な人と郊外へドライブに出かけたい。
その地の風土を感じながら、知られざる新たな味に出合える珠玉の料理店へ。
和食
【岐阜・恵那】十割蕎麦と岩魚 やまだや
隠れた名人の技が光る、
長くてコシが強い十割蕎麦
 恵那市の南部に位置する山間に、昔ながらの農村風景が広がる明智町。大正時代の建造物や街道筋が点在する町は大正村の名でも知られ、1年を通して多くの観光客が訪れる。そんな日本の古きよき町並みを残す中心街から少し離れた小高い山の中腹。棚田を縫うようにして走る田舎道の脇に、1軒の古民家がぽつんと佇んでいる。全国の蕎麦通の間ではつとに知られた名店、『やまだや』だ。
「最初は失敗の連続で、何が悪いのかもわかりませんでした。そこで、すべての工程をひとつずつ見直すことに。毎日少しずつやり方を変えながら、自分で納得のいく蕎麦が打てるまで研究しました」と店主の山田克己さん。試行錯誤を繰り返しながら、ひた向きに蕎麦を打ち続けることで、独自の蕎麦打ち技術を確立した。例えば、通常湯ごねして粘りを出す十割蕎麦は、冷水で練って二八蕎麦以上のコシと喉越しのよさが出せるように。しかも、蕎麦の1本1本が長くて端整。十割蕎麦の概念を覆すような、力強い蕎麦に仕上がった。
 平日20食、週末と祝日は30食限定のため、開店と同時に売り切れることも珍しくない。それでも「まったくの素人ですから。一生懸命やるだけです」と山田さんは照れるように笑う。この気概と人柄も客を惹き付けているに違いない。
上写真:蕎麦の香りと甘味、喉越しのよさも楽しめる「十割蕎麦」
中写真:桜の原木を使い、手製の燻製室で作った「燻製3種盛り」
下写真:築約100年の古民家を改装した風情のある蕎麦屋。
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