こだわる大人の特選グルメ
ちょっと足をのばして行きたい郊外のレストラン
そこでしか味わえないひとときを求めて、休日は家族や大事な人と郊外へドライブに出かけたい。
その地の風土を感じながら、知られざる新たな味に出合える珠玉の料理店へ。
イタリアン
【岐阜・多治見】A Tavola suris
岐阜県産の食材を駆使して
アイデア豊かなひと皿を生み出す
 イタリアの山間部にあるレストランで経験を積んだシェフの高橋裕さんが手掛けるのは、岐阜の食材を中心に作るイタリン。「清流でとれる川魚や豊かな山の幸など、岐阜は食材が豊富に揃っています。キノコやジビエといったイタリアの山あいでとれる食材と似ている食材が多く、本場の料理を再現しやすいのも特徴です」と高橋さんは話す。これらの食材本来の味を損なわない、シンプルな調理法を信条に、様々なメニューを生み出しているという。
 この店を訪れた際に味わいたいのが、中津川産の仔羊を使用したサルシッチャだ。塩とコショウだけで作り上げたサルシッチャは、噛むと肉汁がしたたり、穏やかな風味と旨味が口の中に広がる。「年に1回しか入手できない貴重な肉なので、お越しの際にメニューにあればぜひ味わってください」と高橋さん。ほかにも、1頭買いしたシカやイノシシによるジビエ料理や、馬瀬川の清流で育った香り豊かな天然鮎を使った自家製のアニョロッティなど、岐阜の自然が育てた食材を存分に堪能したい。メニューは時期や日により異なるので、一期一会を楽しむのもよいだろう。
 スペシャリテの数々と合わせるワインはすべてイタリア産のもの。高橋さんはイタリアのワイナリーに勤めていた経験もあり、約90種類揃う中から自身の料理に合う1本を提案してくれることも。「店名のスリスはピエモンテ州の方言で、笑顔という意味があります。世代を問わず、誰もが気軽にイタリアンやワインを楽しめる店にしたい」という高橋さんの言葉どおり、カジュアルな雰囲気の中で本格なイタリアンが楽しめる同店は、足を運んでみる価値ありの1軒だ。
上写真:「中津川産 仔羊のサルシッチャ」。粗挽きならではのジューシーな味わいを確かめてほしい。
中写真:「馬瀬川の天然鮎のアニョロッティ イン ブロード」は鮎から出るだしを使用しており、その旨味が凝縮された一品。
下写真:岐阜の豊かな自然に魅了されて、2013年に店を開いた高橋さん。
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