こだわる大人の特選グルメ
ちょっと足をのばして行きたい郊外のレストラン
そこでしか食べられない味を求めて、休日は家族や大事な人と郊外へドライブに出かけたい。
その地の風土を感じながら、知られざる新たな味に出合える珠玉の料理店へ。
レストラン
【三重・津】
“食材のストーリー”を聞きながら、
イマココ料理に舌鼓
奈良県に隣接する美杉町は、豊かな森林と清流に恵まれた山あいの町。完全予約制のレストラン『朔』の主人沓沢敬さんが家族と美杉町に移住したのは2011年のこと。近くに清流があることと自給できる環境が整っていることが決め手となって、現在の地に移り住むことを選んだ。

「店を出す構想はありましたが、住環境を整えることが先決でした」と沓沢さん。しばらくは家の修復や1800坪にも及ぶ敷地の整備に勤しみながらも、町内で月に一度開催される市場に出店。地元の人や生産者との交流も深めていった。やがて生活基盤が固まると、敷地内にあった古民家を地元の有志や職人達と力を合わせて改装。かまどなどは残しつつ、ギャラリーのような和モダンな店を完成させた。

新しい店で沓沢さんが実践するのは、今ここでしか味わえない“イマココ料理”。自家栽培した米や地元の海と山の幸などを使った料理を、陶芸家でもある奥さんが焼いた器に美しく盛付けて提供している。さらに、料理を味わうだけではなく、心に残るような演出も忘れない。

「食材の説明をします。例えば、この漬物は80歳のおばあちゃんが漬けたものですよとか、鹿肉は凄腕の罠師、古田さんが獲ったものですよとか。一言添えるだけで、お客さんが食材のストーリーを想像して、料理がより印象的になると思うんです」

楽しみは料理だけに留まらない。デザートを食べながら里山の景色を楽しんだり、敷地を散策してヤギが草を食む様子を眺めたり、広い敷地を散策することもできる。ここには「美杉の自然に触れることで、心からリラックスできる時間を過ごしてほしい」という沓沢さんの思いが隅々まで行き届いている。
上写真:旬の山と海の幸を使った前菜。写真下は紅茶¥450
中写真:炭火で焼いた天魚の塩焼き。
下写真:周りを豊かな自然に囲まれている。
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