こだわる大人の特選グルメ
ちょっと足をのばして行きたい郊外のレストラン
そこでしか味わえないひとときを求めて、休日は家族や大事な人と郊外へドライブに出かけたい。
その地の風土を感じながら、知られざる新たな味に出合える珠玉の料理店へ。
フレンチ
【愛知・豊橋】ランブレ
東三河の新鮮な食材を
気軽に愉しめる創作フレンチ
 『ランブレ』とは、フランス語で「琥珀」を意味する。「年月を重ねるごとに美しくなる、琥珀のような存在でありたい」と、願いを込めて付けた店名だ。茨城県育ちながら、豊橋のホテルに勤めたことがきっかけで、食材が多彩に揃う豊橋の素晴らしさに魅了されたという松本義之さん。店をオープンさせるまでは、豊橋をはじめ、東京や静岡のホテルで腕を磨いてきた。そんな中、オーストラリアへワーキングホリデーに出たり、南フランスでの研修に参加したりと、国外での研鑽を積んだことも。
 特にオーストラリアに関しては「食材も人もよかった」と、2度渡豪し、2年以上、現地のレストランで働いた経験も持っているという。このオーストラリアで出会ったシェフは「前菜でアジア料理っぽいアレンジを加えたり、地中海っぽい料理を出したり、フレンチの枠にとらわれず、モダンオーストラリアンな料理を出していて、興味深かったです」と、この経験は自身の料理に対する概念を変えたと語る。帰国してからは、友人の料理人に誘われ入った厨房で、和食の経験を積んだことも、技術の糧となったと振り返る。様々な経験を積み、2007年11月に開業した『ランブレ』は、フレンチをベースとしながらも、その日入った季節の食材を見て、好きなようにアレンジした料理を提供。特に、「魚が好き」という松本さんが目利きした地元産の魚介類は、和食の技法を取り入れてうろこ焼きにするなど、その味わいを最大限に引き出して提供している。
 そんな料理の数々を楽しめる小さな空間も、何気ない空間の中に、松本さんのこだわりが詰まっている。「フランスで、毎日家庭でフランス料理が楽しまれているように、日本でも肩肘張らずに気軽にフランス料理を楽しんでいただきたい」と、ナイフ・フォークだけでなく、箸を用意しているのも、松本さんの気配りだ。アットホームな雰囲気が好評で、長年通う常連が多いのも納得だ。
 オープンして13年。まるで自宅で食卓を囲むように、腕によりをかけたフレンチを味わう。店主の願いどおりに小さな贅沢を楽しめるレストランに、足を運んでみては。
上写真:西浦産甘鯛のうろこ焼き。魚料理は、市場で仕入れた新鮮なものを使用。この日は西浦漁港であがった甘鯛を揚げるように焼き、表面はサクサク、中はフワフワに仕上げた。魚のダシにサフランの風味をきかせたソースで味わう。
中写真:北海道産のサーロインのロースト。ロゼ色が見た目にも美しいサーロインのローストに、タマネギのローストを添えて。牛のかたまり肉をオーブンでジューシーに仕上げた牛肉には、赤ワインソースが絶妙にマッチ。ワインは濃厚な赤を合わせたい。
下写真:アットホームな雰囲気の店内。厨房はオープンになっており、シェフの調理風景を見ることができる。

※料理の写真は、共にスペシャルディナー¥5,000の一例
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