こだわる大人の特選グルメ
ちょっと足をのばして行きたい郊外のレストラン
そこでしか食べられない味を求めて、休日は家族や大事な人と郊外へドライブに出かけたい。
その地の風土を感じながら、知られざる新たな味に出合える珠玉の料理店へ。
肉料理
【岐阜・岐阜】ファンボギ
熟成師が緻密な技で仕上げる、
究極の肉の旨みを堪能する
昨今、ブームを呼びつつある熟成肉だが、この店のオーナーシェフである高橋樗至さんは「熟成は特別ではなく昔から普通に行われていることです」と話す。岐阜市で最も老舗の焼肉店『名玉』の孫として生まれ、幼い頃からずっと祖母の仕事をそばで見てきた高橋さん。「この肉は何日経ったからそろそろ食べ頃だという話をよく祖母がしていました」と言い、その頃から肉の美味しさと熟成との関係に興味を持っていたという。

店に入った瞬間目を奪われるのは、塊の肉が所狭しと下げられた冷蔵庫だ。高橋さんは「熟成は肉の部位ごとにすべてが変わってくる」という。「牛は数百もの部位に分かれ、部位によってねかせる温度や湿度で味の変化に違いがあります。また牛もそれぞれに個性があり、肉質も味わいも違う。そういう意味ではまさに一期一会です」と話し、肉と真剣に対峙しながら熟成師として肉の旨味を最大限に引き出す可能性を探り続けているという。

また熟成方法だけでなく、火入れ加減や肉の切り分け方ひとつとっても味は変わるともいい、その研究にも余念がない。「30日熟成ならこの切り方、90日ならこの焼き方と、素材にきちんと向き合うことを大切にしています」。そのために肉の調理法も研究し続けているとも。「熟成師は料理人ではなく職人。丹誠込めて育てられた牛や豚をよい素材に仕上げるのが私の仕事ですが、さらに美味しく食べてもらえるように個々の熟成肉に合ったいろいろな調理法も勉強しています」

こうして緻密な温度、湿度などの管理のもとに仕上げられる熟成肉は、主に七輪を使って焼肉や焼しゃぶなどで供されるが、いずれも旨味、香り、食感もしっかりと口の中に余韻が残る逸品ばかりで噛みしめるほどに奥深い味が広がる。「この店を訪れる人に、熟成肉の美味しさと新たな感動を提供したい」と高橋さん。今まで体験したことがない味との出合いが待っている。
上写真:4度の出産を経て旨味を増した黒毛和牛を熟成したスペシャルメニューの肩ロース(焼しゃぶは¥2,500〜)。
中写真:月齢30カ月の飛騨牛を使用したウエットエイジングの内モモ。
下写真:カウンター越しに高橋さんからその日おすすめの熟成肉や食べ方を提案してもらえる特等席。
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