こだわる大人の特選グルメ
ちょっと足をのばして行きたい郊外のレストラン
そこでしか味わえないひとときを求めて、休日は家族や大事な人と郊外へドライブに出かけたい。
その地の風土を感じながら、知られざる新たな味に出合える珠玉の料理店へ。
ビストロ
【岐阜・瑞浪】ビストロ・エスカリエ
雄大な山々の麓に構えるレストランで、
山の恵みたっぷりのひと皿を堪能
『ビストロ・エスカリエ』のオーナー齋塲直樹さんが、名駅で8年営んできた店を閉め、岐阜県瑞浪市で古民家レストランとしてリスタートしたのは昨年のこと。移転のきっかけは農業だったという。使用する食材にこだわるあまり、齋塲さんは10年ほど前から瑞浪市で畑作業にも携わるようになったが、「大切に育てたものを最初から最後まで見届けたい」と、畑のある瑞浪市に移転。緑あって巡り合った古民家でビストロを始めたというわけだ。さらに冬になると、ジビエの狩猟を行い、解体までの全行程をスタッフで行うという。
山の恵みはそれぞれの持ち味を生かし、ボリューム満点のビストロ料理に。例えば、罠猟で仕留めた美濃鹿は、骨付きバラ肉などから出汁を取ってポトフに。一緒に煮込まれたジビエフランクも自家製だ。フィレ肉は低温真空調理でしっとり柔らかく仕上げ、その肉汁を煮詰めたソースやカルバドスやバニラの香りを移したリンゴのソースなどと共に味わう。「野菜は不揃いなものもあるし、食材から手掛けるのは大変なこと。でも、みんなが一生懸命育てたものを使えることが幸せ。料理人としての夢を叶えさせてもらえたと思っています」と統括グランシェフの内藤達雄さんは嬉しそうに話す。
笑顔のシェフが作り出すのは、大切に育てた山の恵みとスタッフ達の思いをのせたひと皿。味わえば身も心も満たされて、笑顔が溢れることだろう。
上写真: 海老グラタンをカツ風に仕上げた、きよら美濃エビのコートレットデュクセル風。海老出汁たっぷりのアメリケーヌソースで。
中写真:骨付きバラ、ジビエフランクなどを煮込んだ「美濃鹿ポ・ト・フ」。写真は2人前。
下写真:コック歴35年という、統括グランシェフの内藤達雄さん。
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