こだわる大人の特選グルメ
大人のとっておきレストラン
誕生日や記念日などの特別な日は、心地よい空間でとびきりおいしい料理と共に迎えたい。
そんな願いを叶えてくれる、とっておきのレストランをご紹介。
フレンチ
【伏見】サンテ
フレンチの技で表現する、
“あの”ごちそうを自由に楽しむ
 ガラス張りのモダンな空間は、木の温もりも感じられる絶妙なバランスの心地よさ。オープンキッチンで腕をふるうのは、名古屋のそうそうたるフランス料理店で15年にわたり経験を積んできたシェフの井上篤さんだ。
 井上さんが自分の店に選んだのは特別な日のレストランではなく、普段使いできるビストロスタイル。といってもハンバーグ、ピラフといったメニューも並び、ビストロという枠にも収まらない。洋食を中心にした「みんながイメージできるごちそう」を、フレンチの技法をベースに自分流に表現し、アラカルトで提供。コースを予約制で展開する。
「これまで学んできたフランス料理の偉大さ、そこから生まれる感動を多くの人に味わってほしくて、わかりやすい料理で気軽に、でも家とは違う空間で楽しめる店にしたいと考えました」
 代表料理がジンジャーポークだ。「僕流の豚の生姜焼きです」という料理は、松阪豚の厚切りロースを塩麴や三河みりん、ニンニクや生姜でまずは真空マリネに。そして、焼き色をつけてから低温調理機オイルバスで加熱し、柔らかくジューシーに仕上げて旨みを引き出す。ソースは醤油や生姜などを使い、黒ニンニクのペーストで香ばしさを表現。「これはご飯がほしい」と思ったら、すかさず「ありますよ、白飯」とにっこり。
 気軽な料理といってもクオリティに妥協はない。使うのは松阪豚をはじめとする厳選食材で、野菜は『とりのさと農園』、マイクロリーフやエディブルフラワーは南知多『me』の、いずれも無農薬・有機栽培のものが中心だ。
 夢心地にさせるデザートや、国も価格も幅広いワインやほかのお酒も揃う。味よし、コスパよし、使い勝手よし。「こんな場所が欲しかった!」の声続出のこの店は、井上さんとその他スタッフの同世代3人でスタート。それぞれ培ってきたものを結集し、自分たちが理想とする新しい感覚の店づくりで時代を切り拓く。
上写真:三重県産松阪豚ロース 厚切りジンジャーポーク。
豚の生姜焼きをフレンチの技で表現。キャベツの代わりは季節の野菜で、この日はネギとマイクロリーフのサラダを添えた。¥4,950コースのメインの一例。
中写真:赤い果実のマリネ マスカルポーネのムース ヨーグルトのソルベ。
思い出深い一品を進化させたデザート。見た目の美しさと、甘酸っぱいベリーと溶け合うコク、そして爽やかな甘さにうっとりする。¥770
下写真:シェフの井上篤さん。
1986年愛知県一宮市生まれ。フレンチの名店で修業。『ラ・フロレゾン・ドゥ・タケウチ』、『オーベルジュ・ド・リル・ナゴヤ』ではスーシェフを務めた。
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