こだわる大人の特選グルメ
大人のとっておきレストラン
誕生日や記念日などの特別な日は、心地よい空間でとびきり美味しい料理と共に迎えたい。
そんな気持ちに応えてくれる、身も心も満たす、とっておきのレストランをご紹介。
フレンチ
【矢場町】レミニセンス
白い空間を舞台に、「余韻と記憶」を綴るひと皿
そこには絵画一つ飾られていない。白い「部屋」というより、「箱」と表現した方がしっくりとくる空間だ。アミューズとして白いテーブルクロスの上に置かれたのは、白い石のような器にのせられたウニ。口に運ぶと、海の深い旨みが広がった後、一瞬でウニが溶け、余韻だけが残った。そんな始まりのひと品は、「余韻と記憶」をコンセプトとした料理を、物語を綴るかのように演出するレストラン『レミニセンス』にふさわしい。

オーナーシェフの葛原将季さんが作り上げる世界観は独特だ。その影響は、修業先である東京『レストラン カンテサンス』、大阪『レストラン ハジメ』に大いにあり、これを葛原シェフのフィルターを通して表現したものだという。「最高の食材を、高いポテンシャルで提供したいから」と、昼・夜共コース1種類のみ。ここ名古屋において、なかなかの強気だ。と思ったのも束の間。2番目の皿、「ほろほろ鳥のコンソメ 炭火焼き」でそんな思いは一気に吹き飛ぶ。卵のような器に入ったコンソメスープはスプーン不要で、手で器を持ち直接飲むことを薦められる。言われるがまま、口をつけたとたん、鶏の旨みが詰まったスープの香りが鼻孔をダイレクトにくすぐった。そして、ふわりと柑橘の香りが余韻を残す。

そんな葛原シェフによる演出は、隅々にまで行き届いている。器は有田焼「カマチ陶舗」の特注品。見た目だけでなく、手ざわり、口当たりなど記憶に残るものに仕立てられている。ワインにおいては、シェフ自身もソムリエ資格を持つが、東京よりソムリエを招き、ワインペアリングを提案。現代フレンチをベースとしながらも、その枠だけに収まらない。素材と向き合い追究していく葛原シェフの世界観が今後、どのように展開するのか期待したい。
上写真:コース料理¥13,500の一例、雲丹 葛粉。
中写真:コース料理¥13,500の一例、ほろほろ鳥のコンソメ 炭火焼き。
下写真:ゆったりと配置されたテーブル席のほか、2〜6名で予約できる個室も備えている。
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