スペイン料理をコースで味わえる店として名を馳せる『ラ・フエンテ』が2015年4月上旬に名駅に移転。以前よりゆったりとした店内で本場の味が楽しめる。
　
主人の山内高幸さんは生ハムの産地であるスペイン西部、エストレマドゥーラで修業。シャルキュトリーを使った料理が多いこの地の料理や伝統料理を広めたいと、2006年に店を開いた。「スペインの伝統料理は調味料や調理法で食材の旨みを引き出す料理が多い。それを堪能するにはコース料理がいちばん」と山内さん。その特徴を強く感じさせるのが前菜。例えばプリフィクスコースに登場するオレンジで燻製したサワラは、クミンの香りをきかせたトマトのスープと合わせる。そしてポピュラーな食材の塩ダラは、ほのかな塩味とコクで脂ののったイワシの味を際立たせる。コースの序章にふさわしく、さっぱりと味わえるようにいずれの料理にもわずかに酸味が加えられているのも特徴で、白ワインにもよく合う。カスタードのフライなどの郷土料理も珍しい。1500本ほど取り揃えるスペイン産のワインと共に本場の味を堪能したい。

上写真：山内さんは大学でスペイン語を専攻し、関西のレストランで修業後スペインへ。
中写真：落ち着いた空間が広がる、名駅移転後の店内。
下写真：夜のコース￥5800より、イワシと卵を詰めたウズラ レンズ豆の煮込みを添えて。