こだわる大人の特選グルメ
大人のとっておきレストラン
誕生日や記念日などの特別な日は、心地よい空間でとびきりおいしい料理と共に迎えたい。
そんな願いを叶えてくれる、とっておきのレストランをご紹介。
フレンチ
【桜山】セレスティ
鳥のさえずる果樹園と紅葉の中で、
繊細なフレンチを堪能
市内有数の文教地区として知られる桜山界隈。個性的でモダンな邸宅の合間に威風堂々たる冠木門が目を引く古民家が立ち並ぶ、風情豊かな街並みが続く。その古い一軒家のひとつで17年前から営業を続けるフレンチレストラン『セレスティ』。かつて、この家では様々な店が営まれていたと主人の小澤智晃さんは話す。「でもこういう家は手入れが大変でね。うちも毎日交代でゆっくり時間をかけて掃除やメンテナンスをしています」
そんな大変な思いをしてもここの空間にこだわる理由が、小澤さんにはあるという。

その最大の理由は、前庭、裏庭合わせて289坪もの広さを誇る庭園に広がる豊かな自然だ。前庭には涼やかな水をたたえた池を中心に、桜や松など様々な樹木が生い茂る。「秋の紅葉も見事ですが、一年を通して変わらぬ緑がなんといっても心を癒してくれます」と小澤さん。その豊かな庭を独り占めできる個室はことのほか評判で、関東や関西からのおしのび客や毎回予約を入れる常連もいるのだという。

回遊式の前庭とは違い、裏庭はビワやキンカン、柿などの木々が鬱蒼と生い茂る“小さな果樹園”だと小澤さんは話す。時期になれば、たわわになった実を料理に取り入れることもあるが「すべて実を取ることはせず、鳥のために少しだけ残しています」という。窓一面に広がる緑に彩りを添える鮮やかな果実、軽やかに鳴きながら戯れる愛らしい鳥たち。ここが街の中の住宅街だということを忘れてしまうかのようだ。
「ここにいると、自然と一緒に暮らしている楽しさがある。お客様にも料理とこの自然と空間を楽しんでほしいですね」

こうした庭園を愛でつつ味わう料理の素材は地産地消が基本。野菜は岐阜県本巣市の契約農家から届くものを使い、魚介類は佐久島や篠島で水揚げされたもので、その日とれた食材で料理を構成する。五感のすべてで四季を感じられる一軒だ。
上写真:2階のいちばん西にある茶室は、東と南に開いた窓から庭を一望でき、まるで庭で食事をしているかのような開放感。
中写真:冠木門をくぐり石畳を抜けた先に現れる玄関も、当時のままの姿を残した重厚な造り。
下写真:コース¥3,500〜の一例、オマール海老とフォアグラの軽いコンソメ煮 鴨とフォアグラのサラダ仕立て。
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