伏見のオフィス街に佇む「荒木』を初めて訪れた人はまず、山ほどの食材が収められた木箱に度肝を抜かれることだろう。宮城の漁師から直送された魚介類、新潟の農家から直送された朝採れのアスパラなど、どれも全国各地から集められた一級品ばかりが約30種類以上。その場で好きな食材を選び、好きな調理法で味わえるのが、名物「旬の木箱」だ。
「旬の木箱」を選べる会席料理では前菜、お造りの後、木箱のメニューが続き、食事とデザートでシメる。食材の説明をしてくれたのは、料理長の前田康貴さん。
「木箱から選んでいただくのは大体6~7品。ポーションを小さくすることもできるので、いろいろと味わってほしいですね」
　蕎麦や月替わりの炊き込みご飯、ハヤシライス、卵かけご飯とシメのメニューも豊富だが「ひと口サイズでもご用意できますよ」とにっこり。日本料理店とは思えない柔軟な対応にも驚いた。
「食材、調理法、品数、ボリューム。できる限りご要望にお応えします。お客様が喜ばれる料理と演出の店、それが、『荒木』ですから」

上写真：大きな木箱が並ぶ様は迫力満点。調理前の食材を実際に見て選ぶ楽しさは、ゲストへの最高のおもてなしになるはず。
中写真：ふぐ刺し。
シーズンになると、天然物のフグが入荷する。師崎や安乗など、東海エリアで水揚げされたものが多い。自家製ポン酢でいただく。
下写真：料理長の前田康貴さん。
1974年愛知県小牧市生まれ。東京の日本料理店などで修業した後、6年前に『荒木』料理長に。評判の十割蕎麦も毎日手打ちする。